一方、日本でのサルモネラ菌対策はどうなっているでしょう?
ワクチン接種のコストは1羽当たり約40円。
卵の値段に換算すると、lキロあたり約3円のアップ。
労力、費用がかかるため、日本ではまだワクチン接種の導入例はまだ少なく、
ワクチン接種の導入を進めた養鶏業者の卵は、
「サルモネラ菌チェツク済。セ-フティたまご」とのラベル表示をして
販売しているようです。
ただ、同じ「サルモネラ対策済み」の表示でも、ワクチン接種は
義務付けではない為、
「サルモネラ菌のいないエサで育ち、出荷段階で検査した」
だけで表示しているケースもあり、今後、表示のあり方にも問題が広がる様子です。
日本養鶏協会によると、
「ワクチン接種が絶対よい、と証明されたわけではない。現段階では、
衛生管理を徹底してやれば、卵がサルモネラ菌に汚染される比率は
(1万個に数個の割合と)極めて小さい。熱を通して食べればまず大丈夫だ」
と述べ、「コストのかかるワクチン接種を義務づけるのは難しい」
との事だそうです。
また、「餌に抗生物質を混ぜている為、日本の卵は生食できる」と、
言うことも聞かれますが、餌への抗生物質や合成抗菌剤の飼料への
添加は用い方次第で、肉、卵、牛乳などを通じて人々の健康を損なう
おそれがあることから、家畜ごとに使用期間、休薬期間、使用量などが
決められています。
農林水産消費安全技術センター
一方、日本の「ブランド卵」は、こうした抗生物質や、
合成抗菌剤は使用していない、と言う事がウリとなっています。
餌に抗生物質を使用している為→安心して生食できる
餌に抗生物質を使用して無い為→安心して生食できる
どちらを選ぶかは、勿論、消費者次第です。
「抗生物質大国ニッポン」についてはこちら
日本の卵の流通工程
現在、日本のスーパーなどで売られているパック卵は、
ほとんどがGPセンターというところで洗卵、消毒、殺菌、分別してから
出荷されています。
つまり、現在の日本の「卵」のほとんどは、スーパーに並べられる前に、
センターを通過した「綺麗な卵」です。
しかし、卵は通常微生物の侵入を防ぎ、鮮度を保つ役目をする「クチクラ」
という薄い膜で覆われています。
日本で売られている卵は、ほとんどが洗卵されている為、
この防護壁とも言うべきクチクラまで洗い流してしまっている※、と言うことです。
鶏卵表面からサルモネラ菌が浸入するケースもあると言う研究に
ついてはこちら→洗浄卵について
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