サルモネラ菌 発見者はドイツ人!
サルモネラ菌は、今から120年ほど前の1880年代にドイツの医学者ゲルトネルGertnerが、
激しい下痢と高熱の患者の便から発見しました。
細長いカプセル状の形態で、長い鞭毛(べんもう)を何本か持っていました。
当時は発見者の名にちなんで「ゲルトネル菌」と呼ばれていました。
その10年ほど後の1890年代にアメリカの医学者「サルモン」が、
この菌は他にも同種の菌が存在しており、
その一属の中の一種であることを突き止めました。それ以来、「サルモネラ菌」と呼ばれています。
サルモネラ菌と言っても、サルモネラ菌は、次々に新しいものが発見され、
現在、約2200種あるといわれています。
すべてのサルモネラ菌が発症の原因になるわけではなく、
このうちの一部のものに有害な菌があるのです。
有害な菌は、有名なサルモネラ・エンティリティデス(SE菌)の他に、
ティフィムリウス(ST菌)、ハイデルベルグ(SH菌)、インファンティス(SI菌)等があります。
1980年代から90年代、欧米を襲ったSE菌は、
現在の発生の約50%以上を占めています。
熱には弱いサルモネラ菌
サルモネラ菌は、5℃以下では死滅しないが増殖はしません。
しかし、熱抵抗性(加熱に対する抵抗力)は弱く、60℃3.5分間の加熱殺菌で大幅に減少する
ことが認められており、60℃20分間の加熱でほとんど死滅します。
サルモネラ菌の増殖温度
これらのことから、WHO(世界保健機構)をはじめ、EU、アメリカでは殻付卵の4℃以下の保管、
流通が推奨され、また出来上がりの料理の保管も4℃以下か、60℃以上の温度管理が
推奨されています。
サルモネラ食中毒を発生させる要因
サルモネラ菌による食中毒が発生するのは、次の3つの要因が原因となっています。
このことは、逆にこれらの要因を取り除くことで、サルモネラ食中毒の発生予防になるということです。
① 食品がサルモネラ菌に汚染されている (汚染)
・食品の原料(特に畜産品)が、サルモネラ菌に汚染されている場合
・食品間において相互汚染した場合
・調理器具、器材から2次汚染した場合
・保菌者、サルモネラ食中毒患者、保菌している動物(家畜、ペット、爬虫類、淡水魚、昆虫など)
から汚染した場合
・使用水が汚染されている場合
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② 食品内のサルモネラ菌が、不完全な調理のため生存している場合 (生存)
・サルモネラ菌は比較的熱に弱く、加熱を伴う調理過程でほとんどは死滅するが、、加熱が不完全な場合、
生き残ったサルモネラ菌が増殖し、食中毒を起す。
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③ 食品内でサルモネラ菌が増殖する(増殖)
・少量のサルモネラ菌を摂取しても食中毒は発生しない。
ただし、食品に入ったサルモネラ菌は室温で6時間以上放置した場合、
特に夏季の高温、高湿度では爆発的に増殖する。
人の急性胃腸炎(食中毒)を発症させるサルモネラ菌の量は、菌型、体調、
年齢(小児、老人は、成人に比べ比較的少ない菌量で発症する)によって差はありますが、
概ね「100万個以上」と考えられています。
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