たまごのQ&Aの中から、ドイツの卵にも共通する代表的な5点をあげ、回答を各方面からまとめてみました。
その他の疑問点は、下記に卵協会や養鶏場など、卵専門Q&Aサイトのリンクを
貼っておきましたので、ご利用ください。
Q:赤たまご、白たまごの違いは?
A:たまごの殻が褐色をした「赤玉」と呼ばれるたまごがありますが、白いたまごとの違いは、
実は鶏の種類の違いによるものです。
従来は、毛(羽)の色が褐色の鶏が赤玉を産み、毛の色が白い鶏が白玉を産むと言われており、
確かにそのような傾向もあります。
しかし、これには例外もあり、白い毛の鶏が赤玉を産むものやその逆もあります。
現在では多くの種類の鶏が開発されていますので、毛の色と殻の色の関係は、
ほとんど意味をなさなくなってきました。
つまり、鶏種によりたまごの殻の色が決まります。
日本では、一般に赤玉のほうが値段も高いようですが、栄養的な差はありません。
(「ブランド卵」は除く)
殻の色にしろ、黄身の色にしろ、色の差は栄養の差とは無関係です。
ドイツでは、赤玉の方が主流です。
Q:黄身から出てる白い糸ようなものは何?
A:「カラザ」と呼ばれるもので、卵黄をハンモックのようにたまごの真ん中に吊り下げる役目をしています。
卵黄の一番外側の薄い膜を「カラザ層」といい、これがハンモックの網の部分になります。
ひも状の「カラザひも」は、ハンモックのひもになる訳で、鈍端部(たまごの丸い方)のカラザは、
2本が左巻きにねじれて糸状になり、鋭端部(たまごの尖った方)では
1本が右巻きにねじれています。
見た目と食感をよくする為、「カラザひも」を取り除いて食べる人もいますが、カラザの成分は主に
タンパク質で、カラザの中にはウイルスの感染を防止したり、学習能力を向上させる「シアル酸」 と、
容菌酵素のリゾチー ムいう抗がん物質が 豊富に含まれており、完全栄養食品と呼ばれる卵にとって
重要な役割をしているので、捨ててしまうには勿体無いと思われます。
そのまま食べた方が栄養的にはいいのです。
(シアル酸は、卵黄や卵白にも多く含まれています)
Q:双子の卵はニワトリが病気か、薬を使ったために、
黄身が2つになったのでしょうか?
A:双子の卵は、たまごを産み始めた若いニワトリに見られる自然現象で、全く心配はありません。
排卵はふつう1個ずつ起こるのですが、産卵リズムやホルモンの分泌機能がまだ不安定な時期に多く、
連続して排卵された2つの黄身を卵白が包んでしまって、双子のたまごが生まれたというだけのことです。
産み始めの1ヶ月くらいは排卵が不規則で、100個のタマゴのうち4~5個が双子卵(二重卵)となります。
薬やエサの影響で双子が産まれることはありません。
若鶏を多く飼育している鶏舎から出荷された卵パックすべてが双子卵ということもあります。
日本では、消費者が嫌う為、GPセンターではじかれ、業務用の液卵として利用されることが多く、
一般的でなくなってきた為、不自然に見えるだけなのです。
「縁起が良い」「倍の力」がでる、と言って入学試験前には受験生に食べさせる習しもある様です。
Q:黄身の色が違うのは、なぜでしょう?
また、栄養にはどのように関係しますか?
A:黄身の色は、飼料の量と内容に左右されます。
とうもろこしや、牧草などを乾燥させて粉砕したものを多く与えると「カロチノイド」の色素が増え
色が濃くなります。
一般的に日本人は極端に濃い色や薄い色の黄身を好まないようで、
山吹色に近いやや濃いめの黄身に人気があります。
一般的に卵黄の色が濃いと美味しそうに見えるということもあり、最近は色の濃いものが好まれる
傾向にあります。
鶏が赤い色素の多いパプリカなどを混ぜた餌を食べれば、黄身の色はより濃いオレンジになります。
日本の「ブランド卵」の中には、より黄色を濃くするためにマリーゴールドを餌に使い、
色を出している物もあるそうです。
色素の量の違いをのぞけば、卵の黄身の色の違いによって、
含まれる栄養が大きく違う、ということはありません。
また、夏の暑い時期は鶏も餌を食べる量が減るため、黄身の色が薄くなりがちです。
しかし、黄身の色が薄くなっても栄養価は変わりません。
*今回調べていた養鶏業社のサイトで、ドイツにお住まいの方からの質問を発見しました。
同じ様に疑問に思ってらっしゃる方がいるかも知れないと思い、質問の要点を抜粋し、
回答をまとめてみました。
Q:ドイツの卵の中にある赤い血の塊のようなものは、
サルモネラ菌の塊だと聞きましたが(かなりの確率で出てくる)
やはりそれは有り得ませんよね?
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A:血斑と言って卵管の組織が剥がれ落ちたり、
血液が混ざってしまったもので、
食べても問題はありません。
このような卵は、「血卵」と言われ、日本の消費者は嫌う為、
やはりGPセンターではじかれ、業務用へ廻されます。
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このサイトを作ってるとき、温泉卵が食べたくなって割ったら、タイムリーに出てきた血卵。
見慣れてないと、ドキッとします。 |
たまごが形成されるときに親鶏の血が混入するのは、鶏に何らかのストレス
(大きな音などの驚くようなこと)が一時的に加わった場合に、卵巣あるいは輸卵管の毛細血管が破壊され、
そこから流出した血液が卵黄膜に付着したりする事が原因です。
有精卵の場合は、保存状況(保存温度)によって胚が成長して血管が形成される場合も考えられますが、
ドイツの卵は「無精卵」と言う規則があるので、この現象は当てはまりません。
また、白玉よりも、赤玉卵に多くみられる現象である上、
検卵作業でも、赤玉の場合は色つきの為、光透写が難しく、
赤玉たまごの10%~15%の割合では混入しているそうです。
赤玉が主流のドイツの検卵作業で、食品衛生的にまったく害のない血卵が、
わざわざ取り除かれてるとは・・・未調査ですが、思えません。
なので、ドイツではかなりの確率で出てくるもの、と思われます。
また、鶏が原種に近いほど、その発生率が高いとも言われています。
サルモネラ菌の大きさは0.5×2µm。この単位は、文系のてん子にはまったく理解できない数値ですが、
人体に影響を及ぼす100万個になっても人の目に見えないって事は、
いったい、どのくらい固まったら、肉眼でみえるんでしょうね?
篠原養鶏場~お問い合わせに対する返事のページ
たまごQ&Aリンク
たまごのQ&Aのサイトを集めてみました。
上記以外の疑問は以下のリンク先でお確かめください。全部読めば卵博士。
たまご博物館 ←ほとんどの疑問はここで解決できます。
たまごプラザ ←たまごアレルギーやヒヨコが欲しいと言う質問に答えてあります。
イセデリカ株式会社 ←セブンイレブン専門に、新鮮たまご、温泉たまご、厚焼きたまごなどたまご製品をを卸している業者。
日本養鶏協会 ←クイズ形式のQ&A。終わる頃には、最強の卵博士になってる・・・のだそうです。
全国地養卵協会 ←いわゆる「ブランド卵」の協会サイト
JA全農たまご株式会社 ←全国農業協同組合連合会全国本部の鶏卵販売事業+全農鶏卵株式会社
卵の質問100(pdf)
ホクレン
あきたたまご
富士宮鶏卵
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