大騒ぎになった鶏卵のSE菌感染については、その後
そのままにされた訳では勿論なく、飼料汚染の防止、抗生汚染農場の
消毒と浄化、などあらゆる面で必要な対応策がとられました。
当初、サルモネラ菌に感染した鶏を廃棄していけば、いずれ撲滅できると
みていましたが、それが不可能だと分かり、1993年から米国、カナダ、英国、
オランダ、ドイツなどでSE菌の不活化ワクチンの導入を開始しました。
しかし、EU内でも依然として、対策の遅れている国もあるそうです。
現在のドイツでは、サルモネラ菌が発生しやすい250羽以上の
養鶏をする場合、鶏へのサルモネラの予防接種が義務付け
られています。
また、 サルモネラ菌が発生しやすい、ケージでの採卵種鶏を飼う際、
EU(欧州連合)では、2012年までに750平方センチ以上の
大きなケージに移行するよう指令が出されています。
ドイツでは、EUの決定に従い、以下の対策がとられています。
①既存のケージはEUより5年早く、2006年12月31日をもって違法となる。
②EUの承認を得ている強化ケージ
(ネスト、砂遊び場と止まり木三点セット付きのケージ名「エンリッチド」)
も2011年12月31日をもって違法となる。
③新築鶏舎は少なくとも2メートルの高さを持ち、鶏が自由に動ける
十分なスペースを持つこと。 EUの承認を得ている強化ケージと
現行の高さ50センチメートル高ケージの新設は違法となる。
④収容密度は少なくとも9羽当たり1平方メートルのスペース
(1羽当たり1100平方センチメートル、1平方メートル当たり最大18羽まで)
を持ち、一群は6000羽までに制限される。 |
現在、ヨーロッパでは動物福祉の観点から、鶏の健康や幸せも
考慮した畜産が急速に求められているのです。
鶏のワクチンについてもっとお知りになりたい方→京都微生物科学研究所
欧州の鶏サルモネラワクチン摂取について→厚生労働省検疫所
採卵鶏農家登録制度
更に、2004年1月からEUでは採卵鶏農家登録制度され、
卵一つ一つに、卵登録番号(Eierkennzeichnungsregeln)が印字され、
そのコードを見れば何処の国の、何処の地域の、どの農家が、
どういった鶏舎で生産した卵か、分かるようになりました。
また、卵のケースには(バラ売りの場合は売り場に)賞味期限と、
菌が繁殖しにくい温度(8度以下)での保存期間の2種類が記載されたシール
が付けられています。
EU卵登録番号Eierkennzeichnungって?
詳しくはこちら
ドイツの卵の賞味期限は?
卵の賞味期限、及び卵の出荷基準はこちら!
|