生卵と半熟卵 サルモネラ菌の繁殖温度
卵の白身と黄身では凝固温度が違います。
黄身は65度~70度、白身は約80度以上から凝固が始まります。
均一に加熱した場合、先に黄身の方が固まります。
この温度差を利用したのが、ポーチドエッグや温泉たまごです。
ここで、気になるサルモネラ菌の繁殖温度を上げてみましょう。
変化温度 |
サルモネラ菌変化状態 |
0~8℃ |
増殖しないが死なない |
8~15℃ |
徐々に増殖する |
15~30℃ |
かなり増殖する |
30~38℃ |
激しく増殖する。 |
38~40℃ |
かなり増殖する。 |
40~60℃ |
徐々に増殖する。 |
60℃ |
一部は、5~10分で死滅する。 |
100℃ |
芽胞菌の芽胞以外は数秒で死滅する。 |
実験では、サルモネラ菌を加えた全卵、卵黄、卵白ともに、-18℃に冷凍保存してもサルモネラ菌は死滅し
ないそうです。
サルモネラ菌ページで延べましたが、万が一、卵の内部に菌があったとした場合、
サルモネラ菌に汚染されているのは、卵黄の方です。
黄身が固まる温度は65度~70度。
つまり、ちょっと火を通す、温泉卵、半熟卵、カスタードクリーム辺り、
状態によって、実は生卵より危険な場合もあると言えます。
低温殺菌
加工用、業務用に使われている、液卵は低温殺菌されています。
日本の場合、全卵は60℃、卵黄は61℃、卵白は65℃で3.5分以上の加熱処理をします。
60℃に達しないと繁殖する可能性があり、65℃だと黄身の凝固が始まります。
液卵が作られる肯定
デンマークでは、この液卵、普通のスーパーでも手に入るそうです。
ドイツでも1リットル以上の業務用はありますが、一般的に普及はしていないようです。
(スイスのサイトで小売用パック風なのは見つけることができました)
低温殺菌されたロングライフ牛乳H-Milchと同じで、味はやや損なわれるそうですが・・・
黄身を固まらないように中心まで加熱するのは難しく、また、タンパク質に菌が入り込むと、
「タンパク質の保護作用」が働き、死滅には至らないそうですので、
家庭での低温殺菌は無理かも知れません。
サルモネラ菌は逆に5度以下ならば、死なないが増殖もしないそうです。
作ってすぐ冷蔵庫で冷やすお菓子なら、
サルモネラ菌の増殖を妨げる事が出来ているかもしれません。
また、サルモネラ食中毒を起こすほどの菌数(約100万個以上)に達していなければ、
発病する事はないそうです。
つまり、ババロアなどを製作中には、作りかけで放っておかないこと。
卵を割って1時間以内で冷蔵庫に入れ冷やす事で、サルモネラ菌の増殖を防ぐようにします。
(死滅はしません。念の為)
温泉卵、半熟卵、カスタードクリームは、なるべく早めに食べた方がよいでしょう。
ただし、健康体での話ですから、体調の悪い方、小さなお子さん、お年寄り、妊婦さんが食する場合は、
加熱しない卵、充分に加熱していない卵を使った料理やお菓子は、
控えるように、日本の厚生労働省、WHO(世界保健機構)でも勧告がされています。
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